先輩薬剤師の声 STUFF

私たちと一緒に働きませんか?私たちと一緒に働きませんか?
薬剤師の一日
患者さん一人ひとりと深く関わり
治療にあたる医療スタッフが、みんなで話し合いながら
患者さんがよくなっていくところを一緒に喜び合える環境です。
2007年 入職
桑原 秀徳
Hidenori Kuwabara

薬剤課 課長
精神科専門薬剤師
介護支援専門員
2007年 入職
桑原 秀徳
Hidenori Kuwabara
薬剤課 課長
精神科専門薬剤師
介護支援専門員
Q.自己紹介をお願いします。
桑原 秀徳(くわばら ひでのり)と申します。瀬野川病院 薬剤課の責任者をしております。
Q.桑原さんは精神科病院のどんなところに魅力を感じて働いていらっしゃるのですか?
患者さん一人ひとりと深く関わり、患者さんが良くなっていくところを一緒に喜び合える、これが精神科病院で働く一番の魅力だと感じています。一般科の病院と違う点は「その病気とどう付き合って生きていくか」そこに焦点を当てている点です。患者さんが良いと思える人生を歩んでいただくために、患者さんご本人やそのご家族、そして治療にあたる医療スタッフが話し合い、考えを擦り合わせて、患者さんの自立に向かって一緒に進んで行きます。
患者さんの回復を一緒に喜び合える、そして患者さんの人生に深く関わることができる、これは医療従事者としてとても嬉しい事だと感じています。
Q.精神科病院における薬剤師の役割とは?
薬物療法のレベルを引き上げられるかどうかは薬剤師の能力も大きく影響すると考えています。精神疾患の特徴の一つとしてそのほとんどが、何年、何十年という治療期間を必要とする点が挙げられます。そして薬物療法の占める割合は非常に大きいです。ほとんどの患者さんが何かしらの向精神薬を飲んで治療を進めているのが現状ですので、その薬が今の患者さんの状態に本当に一番適しているのか、そこを考えるのは主治医だけでなく、薬剤師の仕事でもあります。

二つ目の特徴として、精神疾患というものは症状を客観的な数値で測ることができない疾患だという事も挙げられます。これは一般科の疾患との違いでもありますが、検査結果が画像や数値で表れないため、状態を確実に判断することが難しいと言えます。そのため患者さんに対して丁寧な観察が必要で、また様々なスタッフとの情報共有がとても大切です。
薬剤師も多面的な情報から患者さんの状態を判断し、今飲んでいる薬の効果を100%引き出すにはどうしたら良いか、また副作用のリスクを出来るだけ減らすことはできないか、そういった事を考えながら接しています。
Q.経験がないと精神科の薬剤師は難しそうですが?
瀬野川病院の薬剤課では毎月一回勉強会を行っています。また、病院全体でも毎週のように数々の研修会が行われており、新入職員を対象としたものもあります。瀬野川病院に入職した際は基本的なところからしっかり学ぶことが出来る環境があります。
Q.桑原さんは精神科専門薬剤師の認定をお持ちと伺いましたがどういったものですか?
薬剤師の専門性を認定する制度で、精神科領域には精神科専門薬剤師と、その下に位置付けられている精神科薬物療法認定薬剤師というものがあります。
私は精神科専門薬剤師の認定を得ていますが、2017年12月現在、この認定を受けている薬剤師は全国に50名弱しかいません。
精神科での連続した勤務年数が5年以上で、かつケースレポートの提出も必要ですのでハードルの高い認定ですが、瀬野川病院ではこの認定の取得をかなり強力にバックアップします。症例数が多いので臨床研究をする上でも非常に良い環境ですし、一緒に研究を進めていくこともできます。
Q.桑原さんは今後どういった薬剤師を目指していらっしゃるんですか?
そうですね、主治医にとって痒い所に手が届く、そんな処方提案ができる薬剤師であるよう心がけています。瀬野川病院の医師は薬の事を本当に勉強されている方が多く、時々ディスカッションさせていただくこともあります。
院長からはよく電話で「この患者さんについてこの処方はどう思う?」と質問されることがありますし、わざわざ調剤室まで足を運び相談してくださる医師もいらっしゃいます。「この患者さんのこの薬を増やしてみてはどうか」など、薬物療法の微調整を提案することもあり、そういったところからディスカッションを始めていくことが多いです。
こういった話し合いは患者さんをよく知っていないとできませんので、薬剤師であっても患者さんと直接関わることは重要です。
Q.精神疾患の患者さんとの関わり方はどのようにしているのですか?
瀬野川病院は救急病院ですので、重篤な患者さんもいらっしゃいます。不安定な状態の患者さんの対応は、精神科薬剤師として経験の浅い方にとっては不安もあるかもしれません。そういった場合は薬剤課の先輩や、瀬野川病院の優秀なコメディカルが万全なサポートをしてくれますので全く心配はありません。
また、コミュニケーションの取り方についてよく聞かれますが、ある程度落ち着いた患者さんであれば、普通の方と接するのと何も変わることはありません。少しずつ慣れていってその患者さんのパターンなどを掴んでいけば、苦手意識などは特にないと思います。精神科の患者さんと関わる上で大事なスキルというのは一般の人間関係においても重要な事なので、そういった点ではプライベートにも活かせるスキルを身につけるチャンスにもなると思います。
私ももともとは人と関わることにむしろ苦手意識を持っていましたが、この仕事を通して様々な患者さんと関わり、その方の人生を知るようになって、それから人と関わるのが好きになりました。
Q.薬剤師が患者さんに深く関わるとはどのように関わるのでしょうか?
瀬野川病院では患者さんの入院から退院まで、そして退院した後も在宅医療として、一貫してトータルケアを提供するという理念があります。薬剤師もそれに則って、退院した後も薬に関するニーズがあるようであれば訪問してフォローし、トータルで患者さんの薬物療法をマネジメントしています。
薬剤師による精神科領域の在宅診療を行う病院は全国的にもそれほど多くなく、瀬野川病院が先行してチャレンジしている分野だと思います。
Q.瀬野川病院で力を入れている分野はほかにもありますか?
良い仕事をするには自分自身のメンテナンスも重要という考えから、瀬野川病院はオンとオフのメリハリを大事にしています。頑張るだけでは疲れてしまいますので、日々の業務の中でも休憩時間はしっかり取ることができるよう配慮していますし、休みもほぼ希望通り取ることができるようシフトを調整しています。
自分の仕事をきっちりできていれば比較的長期の有給休暇も取りやすいです。
また、子育て支援にも非常に力を入れていて、子育てをしながらでも働きたい、そういった人の活力を利用し、仕事のレベルアップに繋げて行きたいと考えています。
Q.子育て支援とは具体的にどんな事を支援しているのですか?
現在(2017年12月)、産休・育休中の薬剤師が二名おりますが、育休明けには瀬野川病院の託児所を利用して勤務してもらえるよう準備が整っています。もちろん、パートや時短勤務など、雇用形態や勤務形態の相談にも柔軟に対応できます。また、家庭の用事や子どもの学校行事などがある日には休みを取得できる様にシフトを調整していますし、当然転居を伴う転勤もありません。
良い医療を提供するためには自身のワークライフバランスも大切です。子育て中の方や柔軟な勤務シフトを希望される方も、お互いに自身の得意分野を活かして協力し合えば、瀬野川病院の薬剤師としては全く問題ありませんので、幅広く色々な方に来ていただければと思っています。
Q.職場の雰囲気はどうですか?
瀬野川病院の薬剤課は良い意味で個性的な人が集まっています。
様々なキャラクターのメンバーが揃っていて、笑いも話題も絶えない、明るく楽しい職場です。また、様々な職種のスタッフとの関わりも多いので病院全体的にもとても仲が良いです。
精神科専門認定を得るための
環境が整っています
調剤と同じくらい、病棟や在宅に行って患者さんと直接関わって、薬剤管理指導業務を行う事を大事にしておりますので、病院に就職したは良いけど調剤だけで終わってしまうなんてことはありません。患者さんとの関わりの中で服薬指導を行った、または問題点を発見したなど、それらを看護師や医師にフィードバックして、もっと良い処方提案を行っています。薬剤師が介入してその患者さんが良くなったという症例を積み重ねる事が出来ますし、その積み重ねが精神科専門の認定を得るのに必要なことです。それが瀬野川病院では十分に積めるというのが強みだと思います。